日本三大紬のひとつ「牛首紬」という織物をご存知ですか?
石川県の霊峰、白山の麓でごくわずかな工房のみに受け継がれ、
たったひとつとなった織元が一生懸命に守り続けています。
原料は2匹の蚕が1つの繭を形成する『玉繭』。
1匹の蚕がつくる普通の繭以上に繊維が複雑にからまっているので
繭ひとつひとつから手引きで生糸を紡ぎ
糸の染め、織り、仕上げまでのほぼ全工程を
職人さんが手仕事で一貫生産します。
もとより量産がむずかしいものですが
その美しい成り立ちは、きもの通の女性からも支持が高く
それだけに男性物はとくに稀少。
幻とも奇跡の織物とも言われます。
気になる質感は「ほっこりした感じ?」というと
そうでもありません。
女性用の帯揚げに使われる綸子のような
ほのかなツヤと柔らかな着心地、
それでいて「釘抜き紬」の異名をもつほど丈夫な紬。
大島紬と結城紬のちょうど間くらいといいますか、
着てみると「いい塩梅」という言葉が
しっくりくるきものです。
今回、NPO「和装を世界遺産にするための全国会議」が主催する
「きもの100万人プロジェクト」に
当店も参加しているご縁で、全国の産地組合と協力して
稀少で良質なきものを皆さまにお届けしようと
月替わりのコラボ企画を開始することができました。
その第1弾、8月20日からは
石川県牛首紬生産振興協同組合様とのコラボ!
わずか12日間の期間限定ですが、
奇跡の織物「牛首紬」を販売しますので、
ぜひこの味わい深い通好みの紬をお楽しみください。