男きものに興味はあるけれど、
なんだかややこしそうと思っていらっしゃる方向けに
”きもの豆ばなし”を書いてみようと思います。
当店は、男きもの専門店ですので、
あいにく浴衣商品は取り扱っていないのですが、
お店で時折
「そもそも、着物と浴衣(ゆかた)って、何が違うのですか?」と
ご質問をいただくことがあります。
ざっくりとお答えしますと
「形は、ほぼ一緒なのですが、TPOが違うのですよ」
TPOの使い分けを細々書くのも堅苦しいですから、
きもの初心者の方にもイメージしやすいように洋服に例えますと、
● 浴衣は、バスローブ・パジャマ・Tシャツ&スウェットパンツのようなルームウェア。
● 着物は、フォーマルからカジュアルまでいろいろある服全般。
こうすると、なんとなく使い分けが想像しやすいでしょうか。
ルームウェアで出歩けてしまえるくらいなら、浴衣でもOK!
アンダーウェアの上にじかに着るので、素肌感覚は爽やかな魅力。
木綿素材が多いので、吸水性も高く
文字通り入浴後の湯上がりにさっぱりと着られていいのが浴衣です。
真夏に浴衣を着ると、は〜!浴衣っていいなぁとしみじみしますよね。
近頃は、ちょっと出歩いても平気なルームウェアが
ファッションとして確立しているように、
浴衣も高級素材でオシャレなものが沢山登場しています。
とはいえ、浴衣はあくまでもラフに着るものと認識していた方が
TPOなどで失敗しないと思います。
ちょっと浴衣だとラフ過ぎて恥ずかしいよ…と思うときは、
男性はやっぱり、着物がオススメです。
着物なら、素材や着るアイテム(羽織を着たり、袴をつけたり)を変えることで
すべてのTPOに合わせられます。
● オフタイムのカジュアルなもの
● スーツライクなピシッと決めたもの
● リッチなディナーに着ても恥ずかしくないもの などなど幅広く
果ては黒紋付に袴という日本のブラックフォーマルまであります。
浴衣との違いは、どれもアンダーウェアの上に
襦袢(じゅばん)+きもの(時に羽織や袴も)と重ね着するところ。
着物は夏だけでなく一年中着るので、襦袢には
● 体温や湿度調節をする
● 汗や皮脂で、着物を直接傷めないようにする
● 衿や袖口、裾まわりの重ね着のオシャレを楽しむ
といった役目があります。
襦袢につける半衿でも重ね着を楽しめますし、
なにより、襦袢によって着物が長持ちするので
祖父から父、父から息子へと受け継いで着られることは、
着物の良さのひとつと思います。
ラフにオフタイムを楽しむなら浴衣。
オフもオンも長く楽しむなら着物。
そんなふうに気楽に着分けて、楽しんでいただけたら嬉しいです。
今年は浴衣を買おうかなどうしようかなぁとお悩みの方は、
ゆかたより涼しい夏きもの『風魔』もご覧ください。
きもののTPOや豆知識ついては、KIMONO TRIVIAのページでもご紹介しています。
よろしければ、こちらからご覧ください。
きもの豆ばなし『きものとゆかた』でした。